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少子高齢化による生産年齢人口の減少の問題や、育児や介護の両立などニーズの変化など、国内では大きな変化が訪れています。日本政府は、生産性向上や就業機会の拡大などのために、2019年4月1日から順次働き方改革関連法案が施行される予定です。

働き方改革関連法案とは


働き方改革関連法案が成立した背景としては、生産年齢人口の減少があります。少子高齢化による生産年齢人口の減少は重要な課題であり、この課題の解決ができなければ、日本の将来にかかわるとされています。内閣府で発表されている日本国内における将来の総人口推計によると、2110年には4,286万人までに減少すると想定されています。

そして、それに合わせて生産年齢人口は、2060年には4,400万人程度に減少すると予想されているのです。1995年には8,000万人を超えていたことから、この減少幅がどれほどの勢いであるのかを実感することができるでしょう。生産年齢人口が減少してしまうと、労働力の減少だけではなく、技術的な進歩の抑制や、社会保障制度の崩壊にもなりかねない事態となっています。そのため、日本政府は生産年齢人口の減少に歯止めをかける必要があったのです。

働き方改革関連法案を成立させることによって、首都圏一極集中による人材不足、労働時間の長期化など、さまざまな理由によって就業機会を失っている人に雇用機会が与えられることが期待できます。生産年齢人口を少しでも向上させることが狙いです。労働者というのは、労働基準法をはじめとするさまざまな法律で守られているものの、現在においてもさまざまな問題があるといえます。働き方改革関連法案では、これらの問題にも大きくメスを入れているといえるでしょう。

働き方改革関連法案は近年まれにみる大改革案でもあり、日本国内はもちろんのこと、海外からも注目されています。今回の法律改正によって、法律改正によって企業として、さまざまな対応が必要となるでしょう。また、努力義務ではなく「義務」となるものも多いため、適切に対応しておかないと法律により罰せられるリスクもあります。それでは、実際にどのような対応が必要なのか、具体例を挙げてご紹介していきます。

企業が対応すべきポイント7つ


企業が対応すべき事項としては、次の7つのポイントがあります。

1.労働時間に関する体制の見直し


大きな影響を受ける施策の一つが、時間外労働の上限規制の導入です。ここ数年で、中小企業のみならず、大企業においても違法な長時間労働が問題化されています。長時間労働によって過労死や自殺に追い込まれる労働者も発生しており、早急な対策が必要と判断されたのです。

今回の改正によって、一部の職種を除いて、時間外労働に上限が設定されます。月45時間および年360時間が原則となるのです。ただし、職種によっては季節的要因により、月45時間を超えてしまう月度が発生することも少なくありません。そのような場合は、労使協定を締結することで、年720時間が上限となります。

しかし、下記のような内容もガイドラインでもうけられているので注意しておきましょう。

・休日労働を合わせて連続する2~6カ月平均で月の残業時間が80時間以内
・単月で100時間未満
・原則となっている月45時間を超える回数は、年間で6回まで
など。

もちろん、法律で定められるものですので、このルールに違反すると雇用主が罪に問われます。もし、ルールを守らなかった場合、是正対象となったうえで、雇用主側は半年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されますので、注意しましょう。ただし、この法律には一部の例外職種が設定されています。次の職種については、除外や適用猶予が与えられています。実際の施行までにある程度の時間がありますので、該当する場合にはしっかり確認しておくようにしましょう。

・自動車運転業務
・建設事業
・医師
・鹿児島県、沖縄県における砂糖製造業
・新技術・新商品などの研究開発業務

なお、中小企業においては、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率について、2023年には猶予措置が廃止されますので、給与計算時には気をつける必要があります。

2.勤務間インターバル制度の導入


勤務間インターバル制度の普及促進等は、労働時間等設定改善法によって制定されるルールです。勤務時間インターバル制度という制度をあまり知らないという方も多いでしょう。簡単に言うと、労働者が勤務終了した時間から、次の仕事までの時間を一定時間あけることを目的とした制度です。これによって、労働者はしっかりとした休息時間をとって、翌日の仕事に携わることができるようになります。つまり、過重労働による、健康被害を抑制するための制度なのです。

過重労働による健康被害が増加する中、最低限翌日までの仕事時間のインターバルを設けることで、少しでも健康被害を少なくする効果が期待されています。ただし、現時点では、あくまでも普及促進という名目になっており、政府側から具体的な対応方法などについて、制定がされていません。そのため、対応する場合は企業独自でルールなどを決めたうえで実行していく必要があるでしょう。

実際に独自の勤務間インターバルを先行導入している企業もあります。

・8時間のインターバルを設けている
・8時間に加えて労働者それぞれの通勤時間を考慮している
・10時間に設定している

上記のように、企業によっても対応はさまざまです。自社において、勤務間インターバルを導入する際には、すでに導入をしている企業の事例と自社の労働環境を照らし合わせて、独自のガイドラインを設定して運用する必要があるでしょう。

3.高度プロフェッショナル制度の創設

今回の働き改革の中でも、時間外労働の条件規制の導入とあわせて注目されているのが、高度プロフェッショナル制度の創設です。名称が長いことから、一般的には「高プロ」と略されることが多いです。この制度が創設されると、一部の職種の労働者については、年間104日以上かつ4週4日以上の休日を取得させることで、労働時間や休日、時間外・深夜の割増賃金など、規定の適用が除外されるようになります。つまり、時間外労働の条件や月内の休日日数に縛られることなく労働させることができます。

ただし、上限としては厳しく設定されることが予想されており、高度で専門的な知識を要する業務に従事しているうえで、職務の範囲が明確になっていることが必要条件です。また、収入でも制限をかけており、年間1,075万円以上の収入に限定されます。高額所得労働者に限られているものの、労働時間や休日の設定がなくなってしまうことで、「労働者が法律によって守られなくなるのでは?」という懸念が生じてしまいます。

本来の目的としては、労働者自身が労働時間の制限に縛られないように働くことを前提としていますが、「この法律を悪用されるのでは?」と心配する声も少なくありません。そのため、目玉となっている制度ではあるものの、議論が繰り広げられており、制度として確立するためにもまだまだ話題に上がりそうです。

4.産業医・産業保健機能の強化

現在においても、労働者数50人以上を抱えている事業場では、事業場ごとに産業医と契約したうえで、衛生委員会や安全衛生委員会を設けて、従業員の健康管理推進をしていかなければなりません。今回の働き方改革では、この産業医や産業保健機能の強化も検討されています。現状、産業医と契約している企業であっても、法律の範囲内で形骸化されていることは少なくありません。

せっかく産業医と契約しているのであれば、もっと有効的に活用すべきと考えられています。そのために、事業者側が産業医からの勧告について、衛生院会に報告する義務や、産業医が適切な産業保健業務を行うために必要な情報提示、一層効果的な活動ができる環境整備などが求められます。

ただし、企業の中には、しっかりと産業医契約を結んだうえで、すでに適切な活動を行っている企業も多いです。そのため、このような企業の場合には、働き方改革が施行されたとしても特別な対応の必要はなく、これまで通り安全衛生活動を継続するだけで問題ありません。

もし、産業医契約を結んでいるにもかかわらず、物足りない部分があると感じる場合には、法律が施行されるまでに、事業主側と衛生委員会などが協力をしたうえで、活動方針などを再検討する必要があるでしょう。

5.雇用形態にかかわらず「同一労働同一賃金」へ

労働者と一言でいっても、正規労働者と非正規労働者に分けることができます。パートやアルバイトであれば、労働時間が異なったりするものの、継続雇用の正社員と、期間の定めのある契約社員などの場合、全く同じ仕事をしているケースは少なくありません。同じ職務内容であるにもかかわらず、月収や賞与において正規雇用労働者と非正規雇用労働者において、格差が生じることが多いのです。また、賃金面では全く同じであっても、退職金などの福利厚生に差が出ている事例もあります。

同一労働同一賃金の制度では、雇用形態にかかわらず、職場内で同一の貢献をしているのであれば同じ給与・賃金を支給すべきと制定されます。つまり、正規雇用労働者でも非正規雇用労働者でも同じ評価で支給しなければならなくなるのです。

また、厚生労働省では、派遣雇用労働者の待遇改善にも積極的な姿勢を見せています。

・派遣先の労働者との均等・均衡待遇
・同種業務における一般の労働者の平均的な賃金と同等以上の賃金であることなど一定の要件を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保すること

上記のような対応が義務化されているのです。この法律の施行に関しては、2019年4月ではなく大企業で2020年4月1日、中小企業で2021年4月1日となっており、じっくりと時間をかけて制度を構築していく必要があるでしょう。

6.労働者への待遇に関する説明義務を徹底

日本政府にとって、もっとも望ましいとされているのが、すべての労働者を正規雇用労働者として雇用することです。ただ、企業としてもなかなか全労働者を正規雇用するのは難しいと考えています。そこで、同一労働同一賃金と同様の時期に、労働者に対する待遇に関する説明義務の強化も行われます。

企業が、短時間労働者や有期雇用労働者、派遣労働者などを雇用した際に、もし正規雇用労働者と待遇格差がある場合は、格差の内容と格差が生じる理由について説明することが義務化されます。政府としては、このようなルールを制定することで、「説明することが面倒なのであれば、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の格差をなくしてしまえばいい」という流れを期待しています。

7.行政による履行確保措置および、行政ADRの整備

同一労働同一賃金制度、待遇差が生じてしまったときの労働者への説明義務など、行政による履行確保措置および行政ADR(Alternative Dispute Resolution)が必要です。働き方改革関連法案による、新たな法律制定の中でも注目度の高いものは、以上のようになっています。企業は、法律に則した事業運営をするためにも、それぞれの法律についての対応を検討して、施行日までに対応を進めていかなければなりません。

ただし、すべての法律が2019年4月1日施行ではありません。まずは、「残業時間の上限」「勤務間インターバル制度」「高度プロフェッショナル制度」「産業医・産業保健機能」が、2019年4月1日施行となりますので対応を進めるようにしましょう。「同一労働同一賃金」「待遇差に関する説明義務」「行政による履行確保措置、および行政ADR」については、2020年4月1日施行と、1年の先となりますので、その他の対応を進めたうえで、じっくりと進めていくようにしましょう。

働き方改革関連法案の成立、順次施行

働き方改革関連法案が成立して、2019年4月1日にはいくつかの法律が順次施行となります。企業にとっては、かなりインパクトの強い改正となっており、それぞれに対してしっかりと対応をする必要があるでしょう。特に時間外労働の上限規制や、高度プロフェッショナル制度、同一労働同一賃金制度など、企業の仕組み自体の見直しが必要となるものも多いです。

社内でのプロジェクトチームの結成はもちろんのこと、場合によっては社会保険労務士などの専門家の意見を交えて議論をしなければならないでしょう。法律改正に対応できない場合、罰則や罰金の対象となるものも多いですので、注意が必要です。法律に則したうえで、労働者の働きやすい環境の構築を目指しましょう。

企業が成長するための働き方改革

人口減少と少子高齢化が進み、出産・子育て・介護で離職率が増加するなど加速度的に労働人口が減少しています。

それらをカバーするために、日本政府主導で『働き方改革』の取り組みがされているのは周知のとおりです。

そのような差し迫った課題の解決策として語られがちな『働き方改革』ですが、働き方を変えることで企業を大きく成長させることができると考えています。

時間や場所にとらわれず柔軟な働き方を可能にし、ビジネスのスピードを止めずに高いパフォーマンスを発揮することができれば企業は大きく成長することができます。

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