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契約業務もクラウド化で効率化!気になる電子契約のデメリットとは

契約書というと、紙で交わすという方が多いのではないでしょうか。しかし、近年では電子契約に取り組む企業が増えてきています。そして、今後もさらに電子契約が増えると予想されています。そもそも、電子契約とは、いったいどのようなものなのでしょうか?ここでは、電子契約のメリットやデメリットなどについて、詳しくご紹介します。

電子契約とは

電子契約とは、通常書面で行われる契約書を電子文書にしたものです。日本国内では、約14%の企業がすでに導入しており、29%の企業も導入を検討していることから、今非常に注目度の高い契約方法となっています。そもそも、契約というのは口頭での口約束なども正式な契約として、法律上は判断されます。

しかし、口約束の場合何かとトラブルになることが多いことから、BtoBなどの企業同士の取引においては、契約書として契約内容を明確にしたうえで取引を行い、トラブルを避けています。従来の契約形式では、契約内容の合意がなされたら、書面で契約書を作成していました。自社分と先方分の2部を印刷したうえで、必要に応じて製本を行って初めて、両社で押印をして契約締結に至っていたのです。

書面での契約の場合、契約書の改変が行われないように、製本をしている部分を押印して封印をするなどの手間がかかっていました。また、多くの場合、郵送をして契約書を交わすケースもあるので、契約書の内容に万が一不備があると、やり取りにかなりの時間を要していました。特に郵送などに時間がかかってしまうことが多いので、書面で契約書を交わす場合は、おおむね2週間から1か月程度の期間を要することが少なくありませんでした。

一方、電子契約になると、契約書の作成にかかる時間については、書面での契約書の締結と変わりません。しかし、印刷や製本だけでなく、郵送のプロセスをなくすことができます。さらに、締結された契約書のファイリング作業もなくすことができるのです。このように、電子契約をすることで、業務効率を大幅に向上することが期待できるでしょう。

ただし、電子契約は、独自で勝手にできるものではありません。電子書面でのやり取りで、もっとも気をつけないといけないものは、改変のリスクと契約書名の証明です。書面契約書では、実印などを用いて契約を行うため、契約書の偽造が起こるリスクは低いです。もちろんリスクはゼロではありませんが、一般的には実印などの印鑑は、本人もしくは企業がしっかり保管しているものなので、本人であると推定することができます。

しかし、電子記録である電子契約書などでは、ファイル内で押印や署名するわけではありません。コピーも容易なため、適切な電子契約でない場合、偽造をすることも簡単です。このような電子契約であれば、契約書としての意味を成しません。そのため、電子契約においては、印鑑による押印とは別の方法を用いて、電子契約の契約者が本人たちの意思によって交わされたことを証明する必要があるのです。

現在、この電子契約の証明として利用されているのが、暗号技術を使った公開鍵暗号システムというものです。電子署名とも呼ばれており、電子契約では電子署名を用いて取り交わすことで、書面での契約書と同等の効力を発揮させることができるようになります。

抑えておきたい!電子契約に関する法律

先にご紹介したように、電子契約を適切に行うためには、電子署名などを使用する必要があります。契約書として成立させるために、日本政府は法整備を行い、電子契約書が適切に作成、締結できるように規制しています。主な法律は次の通りです。

・電子帳簿保存法

・e文書法

・電子署名法

それぞれの法律の概要について、簡単にご紹介します。

○電子帳簿保存法

税法上は、原則的に契約書や注文書、見積書や領収書などの、顧客との取引に関する書類は、紙で7年間保管しなければなりません。しかし、そうなると電子契約の場合、紙がないので法律を順守できない状態となってしまいます。電子帳簿保存法は、この法律を例外的に避けるために設けられました。電子データの保管を認めてもらうためには、次の条件をクリアする必要があります。

・認定を受けているタイムスタンプや社内規定の整備

・電子契約にかかるマニュアルが存在している

・電子データを指定範囲や組み合わせで検索できる

・納税地において、画面やプリンターによるプリントによって、契約内容を確認できる

なお、この法律は電子契約に限らず、その他の会計書類などにも適用することができます。ただし、社内のすべての書類に対応していないのですが、今後需要はさらに高まると想定されており、徐々に規制緩和がされていくことが期待されています。

○e文書法

もともと書面であったものをスキャニングなどによって保存することは認められていませんでした。電子化するのは企業の自由ですが、あくまでもコピーであるので原本保管のためには、結局紙が必要なのです。しかし、簡易化への要望や、保管場所の煩雑化などを理由に、既存紙媒体の電子保存の需要が高まっていました。

e文書法の制定によって、それが実現したのです。この法律の要件を満たすことができれば、すでにある書面契約書や発注書、そしてそれらに含む商標書類などを含めて、電子的に保存することができるようになったのです。この法律に適合していれば、原本を破棄できるようになりました。

○電子署名及び認証業務に関する法律

電子署名法とも呼ばれている法律です。電子契約を取り交わすうえで欠かすことができない電子署名についてのルールを定めています。この法律の要件に適合していれば、電子書類上の署名であっても、手書きの署名や押印と同じレベルの効力を付与することができるようになります。

このように、電子契約を導入するためには、さまざまなルールに則って社内の規定やシステムの準備をしていかなければなりません。課題も非常に多いことから、まずは電子契約に関するセミナーなどに参加して、電子契約を導入するために立ちはだかる課題をどのようにクリアしていけばいいのか、学んでみてもよいでしょう。

電子契約を導入するメリット

電子契約を導入することで、企業が受けられるメリットについて、ご紹介します。

◇コスト削減

電子契約を採用することで、大幅なコスト削減を実現することが期待できます。書面で契約を交わす場合、印刷代や郵送代、そして印紙税などが必要となります。また、実際にかかる費用だけではなく、印刷や郵送などの作業をするための人件費や書類の保管費用など、意外にコストがかかることがわかるでしょう。印紙税については、電子契約でも発生しますが、その他のコストを削減することが可能です。1つの契約当たりの削減コストは小さくても、年間トータルで考えるとかなりの費用を削減することができるでしょう。

◇業務効率化

先にご紹介したように、書面で契約書を締結する場合、2週間から3週間程度、長いと1カ月程度の時間が必要となります。その間に修正などが発生するとさらに長くなる恐れがあります。その点、電子契約であれば、パソコンやスマートフォンさえあれば、契約締結をすることができるので、かなりの業務時間短縮を目指せます。また、過去の契約書を探したい場合でも、検索機能を使って簡単に探すことができるため、業務効率化を実現することができるでしょう。

◇コンプライアンス強化

書面形式の契約書の場合、管理がずさんであると、場合によっては改ざんや紛失といった事態に陥ってしまいます。企業としてはこのようなことが絶対にあってはなりません。電子契約の場合は、電子署名とタイムスタンプを紐付けすることができます。書面契約書に比べて、改ざんのリスクや紛失のリスクを最小限に抑えることができるでしょう。また、クラウドデータベースなどへのアクセス履歴も取得しやすいため、企業内ガバナンスの透明性を確保することが可能となります。

◇リスク分散

近々大規模な地震が発生する懸念があるとして、万が一のリスク管理施策、すなわち事業継続計画の整備が重要とされています。書面契約書の場合、天災などによって事務所に被害が出てしまうと、最悪の場合滅失してしまうリスクがあります。電子契約書であれば、保管場所を外部のデータセンターなどにしておくことでバックアップできるため、天災発生時に重要資料の滅失のリスクを抑えることが可能となるでしょう。

◇他業種との契約にも利用できる

従来の商取引においては、通信回線を利用したEDIというシステムで取引をしていることが大半でした。非常に便利なシステムではあるものの、業界ごとの規格に沿って電子データ交換が行われるので、他業種との取引には使いづらいというデメリットがあります。また、全業種に対応使用するとコスト面での問題がありました。電子契約には、そのような業界ごとのフォーマットが存在しないため、他業種であっても自由に電子契約を結ぶことができるようになります。

電子契約にはこのように、さまざまなメリットがあるため、多くの企業が導入を検討し始めています。

電子契約を導入するデメリット

電子契約を導入する場合、メリットだけではなくデメリットもあります。

◇取引先の理解を得る必要がある

電子契約を締結するためには、お互いが電子契約を締結できる環境がある必要があります。たとえば、相手が電子契約を導入できるように整備していない場合、電子契約を締結することができません。電子契約を締結できるようにするためには、相手にも環境を整備してもらう必要があります。取引先の業務フローごと変更することを依頼しなければならないため、快く了承してもらったとしても、すぐに環境を準備することができません。

さらに、認定事業者のサービスを利用する場合は、印鑑証明書や登記簿謄本が必要となり手間がかかってしまうことや、電子契約サービス会社を利用する場合は、アカウント登録などの手間も発生します。また、場合によっては加入時やサービス利用時に費用が発生するというデメリットもあるのです。これらを取引先に理解してもらうには、しっかりと電子契約のメリットを伝える必要があるでしょう。

◇すべての契約書が電子化できるわけではない

現在の法律では、すべての契約書が電子化できるわけではありません。電子化が認められていない契約書もありますので、企業によっては紙と電子が混在してしまうことがあります。電子化できない契約書の方が圧倒的に多い場合は、全体的な業務効率を考えながら導入を検討しなければならないでしょう。

◇業務フローが大きく変わる

書面での契約書の締結から、電子契約書での締結へ変更した場合は、企業単位で業務フローが大きく変わります。今までのフローと全く変わってしまうことから、電子契約書の導入に異論を唱える従業員も出てくることでしょう。電子契約書を導入するためにも、業務フロー変更以上に大きなメリットが受けられるようになることを社内説明会などで理解してもらう必要があるでしょう。最終的に電子契約書を使った業務フローで仕事をするのは、現場の社員たちです。電子契約書についてのメリットをしっかりと説明するようにしましょう。

◇認定事業者の利用には電子証明書が必要

認定業者の電子署名を利用する場合には、まず電子証明書の取得が必要となります。会社単位ではなく、従業員単位で必要になるので、従業員から同意をもらって手続きをする必要があるのです。もし、電子契約サービス会社を利用する場合は、この手間はかかりません。

◇電子帳簿保存法による運用が必要

業務フローの変更とともに並行して行わなければならないのが、電子帳簿保存法のルールに則した管理です。保存場所や保存期間、タイムスタンプ、検索機能などの管理が必要となります。いざ税務署などが来た際に、整備されていないなどの状況になると目も当てられません。

このように、電子契約を導入するためには、社内はもちろん、社外の取引先の理解なども必要となります。導入をしたい場合は、取引先の説明や説得なども考える必要があるでしょう。

まとめ

従来の書面による契約書では、契約書締結までに時間がかかったり、コストがかかったりと問題点が多くありました。電子契約書では、契約締結までの時間を短縮できたり、業務効率化、コスト削減を実現できたりするため、注目度が高まっています。ただし、メリットだけではなく、デメリットもありますので社内外への説得も含めて、慎重に検討する必要があるでしょう。

電子契約を開始するにあたって、課題やお悩みを解消するために、下記のような電子契約の相談会を開催していいます。本格的に導入を検討するのであれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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