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国内の銀行では、大手を中心として急激なIT化が進みつつあり、フィンテックの積極利用で余剰人員を大幅に削減するというリストラ策も打ち出されてきています。しかし、なぜ今銀行がこうした動きに出なければならないのでしょうか。それは、銀行という業態がかかえる本質的な問題が顕在化しつつあるからです。今回は、こうした銀行業のIT、AIを利用した業務削減について考えてみます。

世界的な規模で銀行業は儲からない時代に突入

今、世界的に銀行という業態は儲からない存在になりつつあります。もともと銀行業は、庶民から資金を預かり、短期と長期の金利差をもとにして企業などに貸し付けることで利益を上げるビジネスモデルとなっていました。しかし、先進主要国はどこもここ数年中央銀行主導で異例の量的・質的金融緩和を実施したことから、長短金利のスプレッドは極めて小さなものとなってしまい、多くの主要銀行がこの金利差から利益をねん出することが極めて難しくなってしまっているのです。日本のみならず、米国でも大手銀行はリストラの時代に入っており、業務効率化は銀行業の主要命題になりつつあるのが実情です。

メガバンクが相次いで大規模なリストラの時代に

国内の金融市場も、日銀がマイナス金利やゼロ金利を導入したままの状態ですから、米国の銀行にもまして本邦系メガバンクの経営は厳しい状況です。また、すでに一人当たり経常利益よりも人件費のほうが高くなるという逆ザヤの状況にまで陥るところも出始めている状況なのです。そのため、人員の削減はここからの銀行業にとっては必要不可欠な問題となっており、ITやAIの利用で一気に大規模なリストラ時代にも突入しつつあると言えるでしょう。みずほフィナンシャルグループは2017年11月13日、傘下のみずほ銀行の支店など国内拠点の2割に当たる約100店舗を削減し、2026年度末までにグループの従業員を1万9000人減らす方針を打ち出しています。しかし、他のメガバンク二行は明確なリストラとは呼ばずに、業務削減するといった言い方をしているところもあり、その姿勢は微妙なものとなっています。

RPAの導入で業務量削減を考える某大手銀行

某大手銀行は昨年、RPAなどの導入による自動化とデジタル化によって9500人相当の労働力を削減すると発言し、業界に激震が走りました。RPAは、海外の事業会社各社で導入が始まっているロボットソフトウエア利用による業務の自動化ですが、本邦のメガバンクが国内で真っ先に導入を決めたことはIT業界にとっても非常に大きな話題となっています。今後は、AIとの連携でRPAはさらに自律的に仕事をこなし、バックオフィスのホワイトカラー業務に取って代わる存在となりそうです。ただ、問題は既存のルーティンワークから解放された銀行員が、果たして新たなバリューを会社にもたらせる業務に転換できるかどうかで、早晩リストラによる人員削減が顕在化するのは時間の問題となってきているようです。

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