カテゴリ:

O2Oとオムニチャネルの違いとは?

顧客の購買行動を自社の利益に結びつける方法として、よく似た使い方をされる「O2O」と「オムニチャネル」について、その違いを解説します。

O2Oは「オンラインからオフラインへの顧客誘導」

「O2O」とは「Online to Offline」の略で、ネットで情報を知った顧客が、実店舗に足を運んでくれるよう誘導する販売戦略のことです。
代表的な方法としては、店頭で使えるお得な割引クーポンや、アイドルとの握手会チケットの配信、スマートフォンのGPSと連動した、チェックインクーポンの配信などが挙げられます。
元々O2Oは、実店舗で商品を選び、ネットで安く購入する「ショールーミング」対策として広がりました。現在では、新規顧客の来店数を増やす効果が高く、即効性もあることが分かっています。
しかし一方で、長期的な利益をもたらすリピーターやファンの育成には弱いことも知られています。弱点として、1度の買い物体験で顧客が満足してしまうことと、イベントへの「慣れ」からイベント無しでの買い物体験に魅力を感じなくなってしまうことなどが挙げられます。
O2Oは米国発祥の考え方ですが、実用化が最も進んだのは日本と中国においてでした。米国では「Offline to Online」の意味を含め、オムニチャネルと同義で使用されることが多い言葉です。

オムニチャネルは「顧客に購買チャネルを意識させない販売戦略」

O2Oに対してオムニチャネルは、顧客の誘導を行いません。顧客はどのチャネルからでも同様の価格と便利さを得られ、販売店はどのような動線で購買がされても自社の利益が確保できます。
オムニチャネルは大手小売や有名ファッションブランドを中心に導入が進んでいます。
米国で最も進んだ事例として知られる百貨店においては、全米の店舗在庫が一括管理され、目の前に在庫がなくともその場で他店から自宅に配送する注文ができます。
国内の事例としては、とある雑貨通販ブランドが、ライフスタイルを提案するコラムと商品紹介ページをシームレスに掲載し、「ウィンドウショッピングを楽しむ」や「店頭ディスプレイで一目惚れする」のと同様の買い物体験ができるWEBサイトデザインを採用しています。
徹底したユーザーフレンドリーによって、「便利でしかも楽しい、またここで買いたい」と思わせること、それによる顧客のリピーター化とファン化、ファンになった顧客が周囲へポジティブな情報発信をすることで顧客の囲い込みがさらに進むことなど、長期的な売上と利益の増大に効果が見込めることが分かっています。
しかし、O2Oと比較して組織改変や販売システム刷新などの大手術が必要になる事が多く、即効性は劣るため、導入には強力なトップダウン指示が不可欠です。

O2Oは「誘導」、オムニチャネルは「囲い込み」

以上の特徴をまとめてみましょう。O2OはECサイトでの便利な買い物を好む顧客に、オフラインならではのメリットを提案し、実店舗への来店を促すことを目的とします。効果的なターゲットは新規来店者で、効果に即効性があることが特徴です。
オムニチャネルはECサイトと実店舗の区別をつけず、どこからアクセスしても同等の買い物体験を提供することを目的とします。導入の負荷は大きく、O2Oほどの即効性はありませんが、顧客増と囲い込みによる売上増加が長期にわたって見込まれることが特徴です。
どちらの手法も一長一短で、どちらかが特に優れていると断言することはできません。コスト回収を優先したO2Oや、ごく小規模な範囲内でのオムニチャネル化など、スモールスタート戦略で始めてみて、効果測定をしてみるのも良いでしょう。

こちらの記事も人気です

    この課題を解決するソリューション