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近年、国内でも固定電話回線網をIP化する動きが加速しつつあり、2024年にはすべての電話回線網がIP電話になることが決定されています。それに伴い、これまで利用されてきたISDN回線は終了となるわけですが、意外な領域でその影響が出ると言われています。今回は、このISDNサービスの終了に関する影響について考えてみたいと思います。

2024年初めにサービス終了を予定している「ISDN」

ISDNとは、「総合デジタル通信網」の略称で、電話線を使ったデジタル回線のことを言います。ISDNは、1つの電話番号で2つの回線を使うことができました。そのため、電話とともにFAXなどのデバイスをつないで、両方を一度に使えるようにしたところが大きなメリットとなっていたわけです。
ファックス以外にも、ISDNはデータ通信に利用されてきており、本来は2020年で終了とされてきましたが、移行期間を設けるために4年間の延命措置が施されることになり、2024年に完全廃止となっています。個人の生活では、ISDNという言葉やサービスはすっかり聞かなくなりましたが、産業界ではこのサービスを利用した主要な業務がまだまだ多く取り残されています。そのため、ISDNの終了は、予想以上に大きな影響を及ぼそうとしているのです。とくに、企業の業務において極めて主要な部分の「バックエンド」にISDNが使われていることが多く、早急な代替え策の検討と実施が求められる状況となっているのです。

ISDNサービス終了の企業への影響とは

民間家庭では、既にISDNからADSLや光通信回線への乗り換えがほとんど終了しているため、2024年のISDNサービス終了には影響が出ないと言われています。しかし、企業が利用する業務領域では、特定の分野への利用が依然として大量に残されており、その影響が懸念されています。
ISDNの契約数は、2015年末で343万9000件となっており、足元ではさらにその契約数は減少しているものと思われます。しかし、EDI(Electronic Data Interchange)、ラジオ放送、警備、エレクトロニックバンキング、保険請求、POSレジなどは、依然としてISDN回線を使い続けています。中でも深刻な影響が懸念されているのはEDI(電子データ交換)の世界で、17年3月末時点でも234万件の利用者数が残されており、ISDNの問題の中では圧倒的にEDI絡みが大きなものとなってきています。
利用企業によっては、EDI利用の仕組みにISDNが利用されていることを理解せずに、現行のシステムを使い続けているところが多いのが実情です。ISDNから他のサービスへの移行対応が遅れると、小売店から業者への発注が上手くいかなくなり、店頭から商品が消える可能性もあります。そのため、早急な対応が求められる状況にあるのです。

国内では、ISDNを使ったEDIの受発注が有名ですが、そのほかにも自動車業界や電子機械業界の多くの企業が、商品や部品の受発注のためにISDNを広く利用しています。本来ならば10年近い準備期間が必要となる中で、6年程度の猶予しか残されていないのが実情で、ぎりぎりまで放置しておけば、想像以上の影響がでることが懸念されています。
また、銀行と企業の間で給与振り込みなどを行うエレクトロバンキングのシステムも、実はISDNが利用されており、メガバンク3行のみならず、地方銀行はほぼ全てこの回線利用を前提としたシステムの運用を行っているだけに、事態は深刻です。こうしたことから、ISDNのサービス終了は、今では「2024年問題」とも言われるようになっているのです。

早期にISDNの代替サービスを検討・切り替えが安心

ISDNからIP化、つまり「インターネットを利用した機器への代替」はすでに始まっています。しかし、移行にはそれなりの時間がかかる上に、費用的にも企業の想定をはるかに超える予算を必要としています。そして何より、全面IP化となると、これまでのISDNを利用したパフォーマンスが得られないという本質的な問題を抱えるケースも多くなります。必要要件に合わせた適切な機器への移行がしっかりできていなければ、場当たり的な対応がそのままパフォーマンスに現れてしまうというリスクもあるのです。
単純な変換装置だけを設置した場合には、従来のISDNによる通信時間の4倍から10倍ほど時間がかかるケースも出始めており、通信時間の遅さはそのままビジネス効率を下げる結果に繋がってしまいます。

EDI領域では、インターネットEDIへの移行にユーザーの関心が集まりつつあります。しかし、インターネットEDIはそのソリューションが多岐にわたることから、業界ごとにその規格を選択していくことが必要となります。そして、選定から実装までには、それなりの時間がかかることを予め想定しておかなくてはなりません。
やはり、最善の選択を実施するためには、ゆっくりと時間をかけて検討し、リプレイスメントを行うことが重要と言えるでしょう。そのためにも、2024年まで「まだ6年もある」とは考えずに、早期にISDNの代替えサービスの検討に入ることが重要になります。
EDIは、もはや企業における商品、部品などの業務取引の心臓部分を担うサービスとなっており、このリプレイスメントに失敗すれば、企業に多大な損失を与えかねません。そういう意味でも、余裕を持った最善の代替えを実現していくことが大切となるでしょう。

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