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digital labor(デジタルレイバー)とRPAとの意味の違いとは。導入事例

業務の効率を上げる手段として、デジタルレイバーに注目している企業も増えつつあります。現在のデジタルレイバーは従来のRPAよりも広範囲な仕事ができるようになってきています。

社内で導入を検討している場合は、導入前にデジタルレイバーという意味や考え方として注意しておくべき点を知っておきましょう。

デジタルレイバーとは

デジタルレイバーという言葉と同じ場面で使われやすい単語であるRPAの意味も合わせて知っておきましょう。

□デジタルレイバーの意味

デジタルレイバー(Digital Labor)は仮想知的労働者とも呼ばれ、もともと人間がおこなってきた仕事をソフトウェアやプログラム自体、もしくはそれらを搭載しているロボットが仕事をする労働力を指し、全体的な労働システムではなく、ひとりの人間のように擬人化するという意味合いがあります。
なぜ人間のように考えるかというと、ロボットのAIに作業のコツなどを教えていく必要があるためです。
デジタルレイバーが導入されればすぐに人手が不要になるわけではなく、やるべき手順やどのようにすれば品質や効率を上げられるかを教育し、ルールが変更されればそれも伝えなければいけません。
入社した人間の新人教育でも同じことが必要なため、現場で働く仲間のひとりとして考えられているのです。

□デジタルレイバーとRPAとの違い

デジタルレイバーについて解説するときにRPA(Robotic Process Automation:ロボットプロセスオートメーション)という言葉も一緒に使われることが多く見られますが、RPAは、ロボットが自動的に決まった作業を行うことを指します。
作業自体には人間の手を使わないという点では一緒ですが、狭義ではRPAはその作業ルールがしっかり決まっており、決まったルーティン作業を行うシステムが該当します。
つまり、RPAはソフトウェアの制作段階で作業ルールがあらかじめ落とし込まれ、実行時にはルールに従って処理を行うというものです。
対してデジタルレイバーは、制作段階である程度のルールを組み込んでおき、判断基準を教育することで、人が対応しなくてはいけないような幅広い業務に対応できるシステムまでを含めます。
広義としてのデジタルレイバーでは、自動的に工程を進めるデジタルレイバーもRPAのひとつとして考えることもできます。

デジタルレイバー派遣にさせるべき仕事

デジタルレイバーが労働者である考え方による使い方のひとつに、デジタルレイバーの労働力を派遣する方法があります。
強みとしては勤務時間が長くなって疲労しない、ケアレスミスなどが発生しない点があるため、向いているのは単純作業を長くおこなう業務です。

□デジタルレイバー派遣とは

デジタルレイバーによる労働力を派遣するのは、主にソフトウェア会社が提供していることが多いです。
ケースとして処理をするロボット自体を提供することもあれば、労働力のあるソフトウェア自体をエンジニアと一緒に派遣する場合もあります。

□デジタルレイバー派遣の管理・運用体制

デジタルレイバーによる労働を派遣する形態はさまざまです。
ロボット単体の派遣であれば、派遣会社から派遣社員が来るのと同様に、教育や指導、運用は現場に任されますし、ソフトウェアとエンジニアがセットで派遣されるケースでは、チーム体制で出向してくれる状況が多く見られます。

デジタルレイバープラットフォーム化を目指すには

デジタルレイバーを労働の基盤として定着させるためには、デジタルレイバーの得意・不得意な作業を把握し、活用する部署や業務の範囲や連携を考慮する必要があります。
ここではデジタルレイバーを上手く活用している事例をいくつかご紹介します。

□デジタルレイバー導入事例

デジタルレイバーの導入例を3つご紹介します。実際に様々な部署で活用され、いずれの例も業務の効率化につながっています。

・得意分野を生かした単純作業を自動化

金融関連の企業が経理に導入した事例として、他部署からのデータ受領を経て一定のルールに従いながら計算を行い、結果を社内システムに記録、かつ管理者へ承認を求めるといった流れをデジタルレイバーに置き換えたケースがあります。
作業の約7割近くを自動化した上で人的ミスの防止効果もありました。
例外対応や確認など、人的作業が伴うものは従来どおりに人間がおこなうなど、できる範囲を把握して作業分担させたことが成功のポイントです。

・顧客対応しながらの複数アプリ立ち上げ

このケースでは企業に来る問い合わせの電話対応時、従来はオペレーターが話を聞きながら必要なシステムを立ち上げて、常に情報の検索・入力をしていました。
デジタルレイバー導入後はシステムの立ち上げ、情報検索が自動化されたため、オペレーターは情報確認と入力だけで済むようになり顧客とのやりとりに専念でき、従来は通話後に入力していた対応記録を通話しながら残せるようになっていったため、対応効率も上昇したのです。

・入金情報の消し込み自動化でミス防止

販売をおこなっている企業の経理部門で振込対応をしている場合、入金情報をひとつずつ手作業で消し込みをおこなっていることもあります。
この事例では入金関連のためミスが発生すると大きな問題につながる可能性がありながらも、発生を完全に防止することはできませんでした。
しかし、デジタルレイバーを導入することで、入金先銀行口座のWEB管理画面からのダウンロード、表計算ソフト用データへの出力、会計システムへの照らし合わせなどの業務を自動化しました。
その結果、ミスもなくなり、他業務への作業時間を増やすことができるようになりました。

■まとめ

デジタルレイバーの導入で重要なのは、業務をすべて自動化することではなく、デジタルレイバーをひとりの従業員として考えて、得意分野と苦手分野を把握した上で、適切な部署や業務で活用することです。
現在の業務システムの問題点がどこにあるかを考えて、その課題を補うためのデジタルレイバーを使用する場合、教育や周知するような環境が必要であることを認識しておきましょう。

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