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総務省が平成28年に報告した情報通信白書によると、日本でのテレワーク導入状況は16.2%。これは、アメリカなどの国に比べて非常に少ない割合です。なぜ日本にテレワークが根付かないのか? 実際に、テレワークを導入することでどのようなメリットが得られるのか? 今回は、「企業から見たテレワーク」というテーマのもと、アンケート結果を見ながらその答えについて考えていきます。

企業としての注目点はどこ?企業視点で考えるテレワークのメリット

まずは、企業から見たテレワークのメリットについて見ていきましょう。「テレワークについて企業としてのメリットは何ですか?」という質問に対するアンケートの結果を以下でご紹介します。

通勤や育休などの選択肢増加に貢献!1位「働きやすい環境で雇用確保で雇用維持につながる」
  • 勤務場所や時間にとらわれない柔軟な働きかたになるので、どうしても決まった固定時間の勤務ができない事情を持ちながら、働く意欲は持っている有能な人材を引き付けることが期待できる。(女性・岐阜県・50歳)

  • 最近は若い方を中心に自由な働き方を求める方が多いように感じます。そのような方にはテレワークのような働き方が最適であり、弊社でもその制度を導入した結果として、かなりよい評判を社員の方からいただいています。(女性・香川県・39歳)

約半数の票を集めたのは雇用に関わるメリット。「在宅で仕事ができる」というアピールにより優秀な人材を惹きつけ、かつ働きやすい環境が雇用の維持につながるという意見です。企業にとって従業員は"人財"に他なりません。それが示された結果と言えそうです。

場所を選ばないことで生産性向上!2位「どこでも仕事ができて生産性が向上する」
  • ある部署だけ少し導入しているのですが、仕事の効率が上り顧客への対応も早くなる事で良くなっていると感じています。(男性・奈良県・41歳)

  • 国境・時差のない社会へと移行しつつある現在、テレワークは良い人材と勤務時間の柔軟性を確保するための最小限の条件だと思う。(男性・千葉県・36歳)

通勤・移動時間の短縮や、デスクワークにとらわれない働き方が従業員の生産性向上につながるという意見が第2位に。スピードが求められる現代のビジネスにおいては、テレワークのほうが有利に働くことも多いようです。

予想外のトラブル対応がしやすい!3位「非常災害時やパンデミック発生の際にも事業が継続できる」
  • 災害や感染病等が発生した場合でも、中断することなく仕事を続けることが可能である点は、テレワークの大きな強みであると思うからです。(女性・千葉県・59歳)

  • 非常災害時やパンデミック発生によって事業が一斉にシャットダウンしてしまうリスクを避けるシステムを構築出来ることが大きなメリットです。(女性・石川県・62歳)

従業員がひとつの場所に集まることは、チームワークの形成につながるなどの利点がある反面、災害時やパンデミック発生時のリスクも伴います。テレワークであれば、どのような自体が起こったとしても、就労可能なスタッフの確保ができるので、事業継続できるのがメリットという意見が3位でした。

人員やコスト削減に繋がる!4位「オフィスの省力化で環境への負荷が軽減できる」
  • 在宅勤務によりオフィスの小規模が可能になり、ランニングコストの削減につながる。(男性・京都府・37歳)

  • 自宅勤務にすることで交通費、オフィスの光熱費、PCなどの機器などが抑えられると思います。(男性・神奈川県・47歳)

大人数のスタッフがいる場合には、それ相応の広さのオフィスを用意するのが一般的です。しかしテレワークならこうした投資は不要。必要最小限のスペースが確保できればいいだけなので、省力化につながります。結果的に、環境負荷の軽減にも貢献。コストカットとエコの両立が実現できるようです。

満足できる会社なら業務も頑張る!5位「従業員の満足度と企業イメージの向上」
  • 従業員の負担が軽減され従業員自体の満足度がアップする、結果業績もアップ、またそれにより企業イメージも向上する。(男性・愛媛県・58歳)

  • ライフワークバランスを重視する方が増えているので、家で過ごす時間が長くさせられる。(女性・富山県・36歳)

ワークライフバランスの重要性が取り沙汰される現代において、テレワークの導入は企業のイメージアップにつながるようです。実際に、従業員の満足度も向上するため、優秀な社員の獲得と雇用維持につながる、という声が多く見られました。

テレワーク導入の課題は?「勤怠管理」や「コミュニケーション」が目立つ結果に

企業にとっても従業員にとっても多くのメリットがあるテレワーク。しかし、実際に導入するためには、いくつかの障壁があると考えられます。以下は、「自宅でテレワークを導入する時に課題となることは何ですか?」というアンケートの結果です。

上記からも分かるとおり、一般的な出勤スタイルの勤務形態に比べて、テレワークでは勤怠管理とコミュニケーション、そしてセキュリティに課題を抱える可能性が考えられます。「怠けずに働いているかが分からない」「意思疎通がうまくできなくなりそう」「情報漏えいが心配だ」といった声が聞こえてきそうです。以下で、アンケートに集まった声の一部を見てみましょう。

  • 通信の環境が整っていなければ、社員が会社から離れたところでどのような働きをしているのかが全く分かりません。この辺りは会社としてもリスクと考えます。(女性・香川県・39歳)

  • 他の項目は導入する前から諸々想定して対処できそうであるが、ことコミュニケーションにあたっては、どれだけ想定したところで導入してから様々な(潜在的な)問題が浮き彫りになってきそうであるから。(女性・東京都・40歳)

  • ほとんどが、パソコン業務なのでセキュリティはとくに心配です。盗難や紛失のリスクもあるので今後の課題だと思います。(男性・宮城県・47歳)

このように、テレワークの導入にはまだまだ課題が多いのが現状のよう。これらの課題を解決するためには、勤務管理やコミュニケーション用のシステムを導入したり、厳密なセキュリティポリシーを設定したりといった対策が考えられます。しかし、それが従業員の締め付けになってはせっかくのメリットが薄れてしまうことも懸念されます。

テレワークが向いている職業で選ばれたのは「エンジニア職」「事務職」

導入障壁がやや高く見えるテレワークですが、職種によってはメリットがそのハードルを超えることも考えられます。以下で、「テレワークが向いている職業は何だと思いますか?」というアンケートの結果をご紹介します。

1人で作業することが多いので向いている!1位「エンジニア職」
  • プログラミングなどは個人作業であり、オフィスに出勤しなくても可能なので。(男性・奈良県・41歳)

  • エンジニアについてはそれぞれの望む環境において仕事をすることが効率化につながる可能性があると考えるため。(女性・北海道・31歳)

もっとも多い票を獲得したのは「エンジニア職」。他の職種と違い、個人的な作業が多くなる業務内容がテレワークに最適であるという意見が多く集まりました。また、PCとネット環境が揃っていれば仕事ができるという点も、在宅勤務向きであると考えられています。

パソコン作業が多いデスクワークは向いている!2位「事務職」
  • 事務に関する情報などをメールなどに添付、あるいは事前にUSBなどで渡しておけば、テレワークでも仕事ができると思います(男性・埼玉県・27歳)

  • 経理や名刺整理などの事務職は在宅の方が効率が上がります。期日を決めておけば、しっかり仕事を終わらせてくれるので安心です。(女性・三重県・36歳)

第2位は「事務職」。理由としては「エンジニア職」と似ており、1人のパソコン作業が多いことが挙げられています。また、与えられた仕事をコツコツこなしていくという仕事の性格も、テレワーク向きだと考える方が多いようです。

外出が多いので向いている!3位「営業職」
  • 全ての分野でテレワークが可能だと思うが、特に各顧客のスケジュールや時間帯に柔軟に対応していかなくてはいけない営業職は自分で勤務時間を調整できるテレワークが適していると思う。(男性・千葉県・36歳)

  • 元々外回りの多い職種なので、報告などもテレワークで支障がないと考える。(男性・山口県・46歳)

外回りの多い営業マンであれば、現時点ですでにデスク滞在時間は少ないはず。また、顧客の意向に合わせてフットワーク軽く動く必要もあることから、営業職はテレワーク向きだという意見が集まっています。

働き方改革でも推進され、注目度が高まっているテレワーク。導入のハードルはありますが、企業にとっても従業員にとってもそのメリットは大きいと考えられます。ぜひ今回のアンケートを参考に、自社での取り組みについても検討してみましょう。

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