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シェアリングエコノミーとは-所有から利用への移行

「シェアリングエコノミー」とは、直訳して「共有型経済」です。「協調的な消費」とも呼ばれ、欧米を中心に新しい経済概念として広まりつつあります。

インターネットの普及とソーシャルメディアの発達から、かつてはごく近しい家族や友人たちだけで行われてきた「共有」の範囲が、地域や国にまで広がりました。専有せず、共有することでコミュニティの利益を最大化するエコシステムとして、モノやサービスは「所有するもの」から「必要に応じて利用するもの」に変化しつつあります。

個人の利用するシェアリングサービス

現在、シェアリングエコノミーは個人間で広がりを見せています。専有するコストが高いもの、共有することで価値が上がるものなどが、シェアリングの対象になっています。

  • 情報のシェアリング

    世界中の個人が情報を発信して周囲と繋がるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は「情報をシェアするサービス」です。新聞やニュースを見なくても、近しい人が発信する情報を相互に共有することによって、より自分にとって利益の多い情報を得ることができます。

  • モノのシェアリング

    車を複数のユーザが共有して必要な時に使用する「カーシェアリング」が、都市部を中心に普及しています。維持費やメンテナンス費用も共有するため、専有するよりもずっと安く「車の使用権」を得ることができます。

    2014年から話題になったファッションレンタルは、月額制の服の貸出サービスです。高価なブランド服やいつもと違うファッションに興味のある女性どうしで服を共有して、装飾のコストパフォーマンスを上げます。

法人が利用するシェアリングサービス

法人事業者においても、シェアリングエコノミーは浸透しています。個人の場合と同様、コストの低減や共有することによるメリットが認識できるものが人気です。

  • スペースのシェアリング

    大手ショッピングモールへの出店や貸し会議室、貸しビルの利用もシェアリングのうちに入るでしょう。現在では、月額制や時間制のレンタルオフィスなど、コンパクトなビジネススペースのシェアリングサービスも増加しています。

  • 人材・サービスのシェアリング

    派遣社員など非正規雇用労働力の利用、海外出張における現地通訳の調達などが、人材・サービスのシェアリングにあたります。自社で人材を確保して育成・維持するのではなく、必要に応じて都度利用することでトータルコストを下げる考え方はシェアリングエコノミーの基本です。

  • システムのシェアリング

    サーバーやソフトウェア、システムの使用なども、利用方法は「専有」から「共有」に変わりつつあります。

    自社専有のサーバーやシステムは導入コストが高く、減価償却が終わる前に新しい投資が必要になる「技術の陳腐化」問題に悩まされてきました。クラウドサービスの普及によって、ハードウェアやネットワークにかけるコストを共有し、より安全で信頼性の高いシステムを安価に利用できるようになっています。

おわりに

シェアリングエコノミー時代のビジネスは、既存の価値観にとらわれない発想が切り開いています。かつては個人が専有するのが当たり前だったモノたちが、「必要に応じて利用するもの」として、共有の対象になっています。今後はさらにその範囲が拡大していくでしょう。